
抹茶や日本酒を身近に、気軽に楽しめる場所がほしい…という想いではじまった百千鳥の「茶道部」「日本酒会」。








「茶×○○」をテーマにはじまった平成29年度の百千鳥茶道部。
第一回は「茶×建築茶×建築 〜建築家が語る茶室の仕掛け〜」をテーマに、茶室に隠されたさまざまな仕掛けやお茶室ができるまでの歴史、現代の茶室などについて、建築家ならではの視点で茶室の秘密を探ります。
ゲストは松風園のお茶室の改修・設計を手掛けた建築家の斉藤昌平さん(株式会社SAITO)。
会場は斉藤さんご自身が設計されたアシストレジデンス桜離宮のお茶室です。
これまでと趣向を変えた茶道部だったのでみなさんの反応やいかに…とどきどきしながらの告知でしたが、蓋をあけてみると総勢13名の満員御礼、それも男性参加者がたくさん!!と嬉しい結果になりました。
さて、最近の茶道部は準備とお茶会の二部制になっております。
今回の準備では床の間の主役「掛軸(かけじく)」を選ぶところからスタートしました。
茶道ではお坊さんが書かれた禅の言葉の軸を飾ることが多いのですが、茶道部では初心の方にも親しみやすいよう、絵の軸も使います。
(茶道が伝わり始めた室町時代には、主に絵の掛軸が使われていたそうです)
今回ご用意したのは、「和敬静寂」「かきつばた」「鷹に青楓」の三枚。
参加者のみなさんの投票で、今日のお軸は「かきつばた」に決まりました。
軸を飾ると、初夏の涼し気な空気が流れ出します。
次に準備したのはお花。
お花を入れてみたい!と手を上げてくださったのは、今回初参加、お茶も初めて!の建築家の方。
初夏の野の花の中から、柏葉あじさいとドクダミを選んで花入に入れてくださいました。
床の間に飾ると、清涼な野にいる気持ちがしてきます。
準備が整ったところで、お菓子が運ばれます。
この日のお菓子は和菓子舗 鮹松月(たこしょうげつ)さんの「かきつばた」と「清流」。
お部屋のしつらいともぴったり合いました。
さて、お楽しみのトークタイム。
ゲストの斉藤昌平さんが、まずはざっくりとお茶室の歴史を説明してくださいました。
一口にお茶室といっても、歴史とともに移り変わってきているんですよね。
会場となっている桜離宮のお茶室は、現代風の十畳茶室。
シンプルな畳の間ですが、季節にあわせてしつらいを変えるためのさまざまな仕掛けが隠されています。
まずはお茶を点てるのになくてはならない「炉」。
お湯を沸かす釜をかけるための小さな囲炉裏のようなものですが、実は5月になるとこの炉には畳をかぶせて閉じてしまいます。
炉はお客さまに近い位置にあるので、暑い夏の間はお客さまからできるだけ火を遠ざける
ために、ポータブルの風炉(ふろ)を使うのです。
(この日は5月でしたが、みなさんに見ていただくためにあえて炉を開けていました。)
次に、茶室に隠された「釘(くぎ)」を見ていきます。
茶室には、あちこちに謎の釘があります。
炉の真上の天井にある釘、床の間の柱から飛び出している釘、掛軸の裏に隠されてる釘…これは季節にあわせて天井から釜を吊り下げたり、お花をあちこちに掛けたりするためのものです。
話は尽きることなく、斉藤さんご自身のお茶室設計よもやま話も。
斉藤さんが設計された桜離宮のお茶室は、「筥松」をご神木とする筥崎宮さんの近くにあり、お茶室も「松」がテーマになっています。
筥崎宮の一帯は、昔はいまの国道三号線のあたりまで海があって、白砂青松(はくさせいしょう)の砂浜が広がっていたそうです。
そこで、床の間の柱には松の木を据え、ふすま紙にも「若松」の文様の唐紙を選びました。
唐紙とは、雲母を練り込んだ岩絵具で文様を写し取った和紙です。
陽が差し込むと雲母の粉がきらりと光り、移りゆく陰影が時間の流れを感じさせます。
桜離宮の唐紙は、京都の「KIRA唐長」のトトアキヒコさんの手によるものです。
襖の引き手も松葉をモチーフにするなど、細かいこだわりがあります。
一方で、ビルの中の茶室なので天井には耐火素材を使わなければならないなど、設計上の制約もたくさんありました。
そんな話を聞いているうちに参加者の方からも「企業の自社ビル内にお茶室があるけど、実際には茶道では使いにくい構造になっていて物置になってしまった」
「どこそこの公園に隠れたお茶室があって、とてもいいんだ」というお話が飛び出してきて、茶室談義も花盛り。
最後はみんなで一碗の抹茶を楽しんで、ほっと一息。
茶道部では自分で抹茶を点てられる時間を用意していますが、
今回は夏にインドネシアを訪れて高校生に日本文化を紹介されるご予定の方が点前に挑戦してくださいました。
もちろんこの一回でお点前を覚えることは難しいですが、茶道のどんな部分なら伝えられるか、どうしたら現地の高校生のみなさんに抹茶をふるまえるか、参加者で頭を寄せて知恵を出しあう一時も楽しかったです。
そんなわけで盛況のうちに終わった百千鳥茶道部。
次回は7月の開催を予定しております。
どうぞお楽しみに。
2月19日(日)は「自分だけの和菓子をつくろう」でした。
(本会は子ども達の健やかな成長を願う「福岡県青少年アンビシャス推進運動」の助成を受けて開催されました)
昨年から始まった和菓子づくりワークショップも今回で4回目。毎回募集期間中に満席となる百千鳥の大人気イベントです。
このワークショップの目玉は、若手の和菓子職人さんから直接和菓子の指導を受けるだけでなく、自分だけのオリジナルの和菓子をデザインできること。
講師は、福岡市中央区柳橋連合市場にある和菓子「鮹松月」の松尾和明さんです。
今回は5〜18歳の20名(うち3名は外国人留学生)の子どもたちが参加しました。
すでに2回目、3回目の参加のお子さんもいらっしゃいます。
まずは練習もかねて、全員で季節のテーマ和菓子「桃の花」を作りました。
職人さんの実演を真剣なまなざしで見つめる子どもたち。職人さんの手つきを真似たり、実際に使う道具を「これはなにをする時に使うんだろう…?」と不思議そうに手に取って見たり。
本物に触れる貴重な体験となりました。
何個もデザインを考えてきてくれたお子さんもいて、独創的なデザインが並びます。
このデザインをどう実現したらいいんだろう…と最初は子どもたちも心配そう。
でも講師の松尾さんにアドバイスをもらいながら、作りたいもののイメージが形になってくると、みなさん夢中で作り始めました。
どれも子どもたちの個性が光る素敵な和菓子が完成しました。
・とても楽しかったです!!きじにちょうっとだけ、ちゃくしょくりょうをつけただけで、いろがこくなるので、むずかしかったです。家でもチャレンジして作りたいです。I enjoy this class. (10歳)
・はじめて和がしをつくりましたが、とても楽しかったです。
最初は上手にできなかったけれど、アドバイスをもらい2回目は成功しました。
むずかしかったけど、オリジナルのわがしをつくれたのでよかったです。
(10歳)
・少しむずかしかったです。これを続けている先生がすごいなぁと思いました。
今日のことを、友達といっしょにはなしてみたいです!(10歳)
・今日の和菓子作りはいい体けんだと思います。楽しかったです。
また和菓子作りたいけんをしたいです。
もっともっと和菓子を作ってめいじんになりたいです。(9歳)
・今日は本当に楽しかったです。ありがとうございます。
みんなはやさしくて、面白くて、せつめいしましたので、作くりこと少しできました。
日本の文化を学ぶことできたので、うれしいです。今は自分でわが子を作くれますので、本当にうれしいです。
ありがとうございます。(留学生・フランス18歳)
・今日のわがしを作くりかたのじゅぎょうありがとうございました。
楽しくて、おもしろくてよかったです。先生から色々な作くりかたをいただきました。
また作くりたくなりました。あたらしいきょみが出てきました。
(留学生・フランス18歳)
・今日はすごく楽しかったです!わがしをつくることがありませんでした。
聞いたことがありませんでした。日本の文化が面白いですから、本当に楽しかったです。
また来年わがしづくりをしたいです。ありがとうございました!
(留学生・アメリカ18歳)
・今日の、わがしづくりは、わがしの作り方などわがしにかんするいろいろな事が学べたので良かったです。
(10歳)
・少し難しかったけど、がんばってつくったら、たっせいかんがもてた。(10歳)
・ちょっとむずかしかったけどもうちょっとしてできました。
とても楽しかったです。(9歳)
・ももの花のやつは、かんたんでした。どうしてかとゆうと、まえすいかをつくったからです。
すごくたのしかったです。(7歳)
・かぶとむしをつくれてうれしかったです。
かぶとむしのつのをたてるのがむずかしかったです。(6歳)
・たのしかったです。じぶんのでざいんのわがしはびっくりしました。(5歳)
・たのしかったです。見ているときがたのしかったです。
(4歳・お母さん代筆)
・わがしづくりはむずかしかったけどたのしかったです。(7歳)
・まざっておもしろかった。またしたい。(6歳)
・ちょーたのしかったです。また和菓子を作りたいです。
これからもよろしくお願いします。(10歳)
・いろんなことをしてたのしかたです。またしたいです。(6歳)
・わがしを作るのが楽しかった。桃の花は難しかったです。
(5歳・お母さん代筆)
・さくひんつくるのたのしかった。(5歳)
【保護者の感想】
・こどもたちが楽しそうに和菓子を作っていた。
・季節感、独創性ともに味わえる素敵なイベントでした。
・テーブルに2名サポートしてくれる方がいて安心できました。
皆さん、丁寧に優しく教えて頂いてありがとうございます。
・自分が作りたいものを作れて本人もとっても楽しそうでした。
・大人でも体験できないようなことをさせていただいた。
親はあえて関わらない環境にしてあったところ。
自分で頑張ろうとするから、親としてもあれこれ言いたくなるのを我慢する良い経験となった。
・目の前で職人さんが和菓子を作るところが見られた。
・こどもたちがそれぞれのオリジナルを作れるという点がよかった。
・和菓子を自分で作る機会なんて本当に良い経験をさせていただきました。
・オリジナルの和菓子を作れた。持ち帰りの材料が今回あったのがよかったです。
・It was really great! I think it’s really important for kids to learn about Japanese culture and learn in a hands on way.
この「自分だけの和菓子をつくろう」は、昨年度より3年間行う「福岡県青少年アンビシャス推進運動」の助成を受けた「食育の推進」活動の一環として開催されました。
「自分だけの和菓子をつくろう」は、日本の食を通して四季の移り変わりを感じる豊かな心を育みながら、作り手との交流を通して食への感謝の心を育てることを目的としております。
子どもたちが和菓子職人と身近に触れ合える本イベントは、ものづくりや食につながる仕事を垣間見ることができる貴重な機会になったのではないでしょうか。
この体験が子どもたちにとって職業や夢、食の大事さを考えるきっかけになればと願っています。
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