2018年10月28日(日)に大濠公園日本庭園で「はじめての親子茶会」開催しました。
この親子茶会は、ただお客さんとして抹茶を飲むのではなく、
一杯のお茶のために手づから和菓子を作ったり、
心をこめて抹茶を点てたりする茶道の「過程」の部分を体験する企画です。
今回は3〜18歳のお子さん13名とその保護者の方12名、計25名(うち6名は外国人)が参加しました。
和菓子の講師は、福岡市の和菓子舗「鮹松月(たこしょうげつ)」の四代目、松尾和明さん。
お茶の講師は、大分県中津市の老舗のお茶屋さん「丹羽茶舗(にわちゃほ)」の五代目である丹羽真一さんです。

最初に、和菓子職人の松尾さんに基本的な和菓子の作り方を教わります。
今回の和菓子のテーマは、いままさに色づきつつある「紅葉」。
二色のこなし生地をあわせて紅葉のグラデーションを表現し、餡を包みます。
餡をこなしで包む「包餡(ほうあん)」は、職人さんの手元を見ているとあっというまなのに、実際にやってみると難しいポイントのひとつ。
参加者から「簡単そうに見えるのに〜!」という声があがります。
きれいに餡を包めたら、もみじの印を押して完成です。

お菓子が完成したら、お茶室へ。
お庭の緑を眺めて心を静め、手を清めてからお茶室に入ります。
今日のお茶室の掛け軸は、
「日々是好日(にちにちこれこうじつ)」。
どんな一日もすばらしい、という意味の禅語です。
和菓子づくりとは打って変わって静かな雰囲気のなか、
丹羽さんがお点前を解説します。
お茶を点てるひとつひとつの動作に、
お子さんも親御さんも真剣に見入ります。

いよいよ、自分で抹茶を点てます。
丹羽さんの指導のもと、茶筅を手にしてシャカシャカ…。
こちらも簡単そうに見えて、意外に大変な作業。
でも、コツをつかむとみるみる美味しそうなお抹茶が点ちはじめます。
自分でつくった和菓子で、自分で点てた抹茶をいただくひととき。
あわただしい日常からはなれて、
ものを大切に扱い、おいしいものを愛でる。
たったそれだけで、心がときはなたれて、親子で交わす視線もやわらかくなったように感じます。
参加者の感想を一部ご紹介します。
『お子様の感想』
・にがいお茶だったけど、あまい和がしといっしょに食べるととてもおいしかったです!(10歳・女子)
・おかしをつくったりおちゃをたてたりしてたのしかったです。(8歳・女子)
・手を洗う時に右手、左手、最後は左手に水を加えて口につけるふんいきにする、ということがわかってよかったです。(11歳・女子)
・お菓子をこねこねするのが楽しかった。(4歳・女子)
・お菓子がおいしかったです。抹茶もおいしかったです。(6歳・女子)
・抹茶もにがくなく和菓子も全部食べれました。(3歳・男子)
・It was very educational and very nice experience. Everyone was very kind and understanding. I really appreciate this event.Thank you. (Sweden /Female/18years old
)
訳)とても教育的で良い経験ができました。。 皆さん非常に親切で熟知していました。 このイベントに本当に感謝しています。ありがとう。(スウェーデン・18歳・女子)
『保護者の感想』
・和菓子を自分で作って頂く機会は貴重で、親は初めて和菓子作りができて楽しかったです。
・茶道の世界と日常生活でのお茶に関係しそうなことについて違いをわかりやすく教えていただいて良かったです。
・自然光の中でのお茶点ては良かったです。
・日本文化にふれることができてよかったです。なかなかない機会をいただけてよかったです。
・Very good explanation of the ceremony, and the including manners we are grateful for the translation.(Sweden /Female)
訳)お茶会とそのマナーを非常に丁寧に通訳してくださり感謝しています。(スウェーデン・女性)
・Very informative. Thank you for translation. It meant a lot. Very fine to be able to learn about the Japanese tea ceremony in a casual atmosphere. Very good guidance of everyone in the stuff. (Sweden /Male)
訳)大変得ることが多く、大変意味のあるイベントでした。通訳してくださりありがとうございました。気楽な雰囲気の中で日本の茶道について学ぶことができて非常に良かったです。スタッフの指導もとても良かったです。(スウェーデン・男性)

この「はじめての親子茶会」は、日本の食と文化を通して四季の移り変わりを感じる豊かな心を育み、作り手との交流を通して感謝の心を育むことを目的として開催されました。
本講座では、小さなお子さん達にもきめ細かい指導を行うため、プロのお茶屋さん、和菓子職人さん、そして多くのボランティアスタッフにご協力いただきました。また、高品質なプログラムをできるだけ身近な価格でご提供するため、未来を担う夢を持った子ども達を育成する「こども夢基金」の助成金を得て開催されました。
この場を借りて御礼申し上げます。