京都の「陶々舎(とうとうしゃ)」と紡ぐ6月のお茶会、
今年は6月23日(土)に「百千鳥茶会 -mindfulness-」というテーマで開催いたしました。
案内人は陶々舎(とうとうしゃ)の天江大陸(あまえ だいりく)さん、三窪笑り子(みくぼ えりこ)さん。
瑞々しく独自の感性でお茶の世界に誘ってくれます。
第一部のテーマは「禅✕茶」。
禅宗と一緒に大陸から日本に渡ってきた抹茶。
自分自身の心と体と向かい合う座禅のワークショップで、茶道の原点ともいえる禅宗の古い形式で抹茶をお出ししました。
お茶室に入る前に、まずは力を抜いた正しい姿勢をレクチャー。
続いて、参加者の皆さんで「電車ごっこ」。
他者や体を操作する感覚、そして委ねる感覚を体験しました。
広い宇宙の中で、私達は流れに身を任せるちいさな塵のような存在。
年齢や経験、知識の量で優劣を競っても、この大きな宇宙の中では私達は皆おなじような存在。
動のワークショップが終わったら、いよいよ静のお茶室へ。
心を整えて、神社の鳥居をくぐるような気持ちで足を踏み入れます。
声を通して体を振動させ、呼吸のリズムをつかみ、
壁に向かって座禅を組みます。
なにもしない、ゆたかな時間。
ここでのお抹茶は、座禅の合間に頭をクリアにするためのもの。
お寺でお坊さん達が飲むためのお茶の作法は、無駄がなくスピーディーです。
まず抹茶の粉が入ったお茶碗が渡され、
ささげもったお茶椀に、目の前でお湯が注がれます。
清々しい蒸気に、心が洗われる気分です。
自分の手の中で、お茶が点てられていく不思議。
茶筅(ちゃせん)の振動とお茶の香りを感じながら、二人で息をあわせて一杯のお茶をつくりあげます。
キュッと飲み終わると、頭もしゃっきり。
気持ちを切り替えて再び座禅に戻ります。
ほんの短い座禅でしたが、会が終わるころには始まりのざわめきはどこへやら。
静かに、落ち着いた空気が流れていました。
第二部はがらりと雰囲気を変えて「親子✕茶」。
『お茶のお姉さん』の案内のもと、親子でお茶を点てあいます。
お菓子を食べるときには、次の人に「お先に」の礼をして
黒文字を使って切りながらいただきます。
お辞儀の仕方も、しっかり練習。
お子さんが心を込めて点てたお茶を
親御さんに飲んでいただきました。
第三部は毎年大人気の「酒✕茶」。
正式なお茶会でいただく懐石料理の最後の部分、「八寸(はっすん)」と呼ばれる肴とともに、日本酒を酌み交わしてお茶を楽しむ会です。
日が傾く頃、蝋燭あかりが灯り、
檜(ひのき)が香り立つ片口で日本酒を酌み交わします。
肴は、海のものがきびなごの一夜干し、山のものが畑から採れたてのとうもろこし。
シンプルな季節の味覚を楽しみながら話が弾み、日本酒がぐいぐい進みます。
楽しいひとときのあとは、お茶の時間。
布包みを開くと、小さな茶道具が現れます。
一風変わった茶筅は、竹の枝を集めて作った自作のもの。
驚いているうちに、魔法のようにお茶が点てられていきます。
お菓子は鮹松月(たこしょうげつ)さんの「紫陽花」。
このお茶会のために特注で作っていただきました。

一服のお茶で心を洗って、mindfulで楽しいひとときが終わりました。
「こころ」をテーマに開催した今回の百千鳥茶会 -mindfulness-。
いつもとは違った切り口でお茶を楽しんでいただけたなら幸いです。
★アンケートを一部ご紹介します。
【1部:禅×茶】
・自分でお茶を点ててみたいと思いました。(男性)
・おもしろかったで、時間がもっと長いならいいなと思います。(女性)※外国の方
・背筋がピンと伸びて、気持ちの良い空間でした。こんなにゆったりした時間を持てたのは久しぶりで嬉しかったです。(女性)
・茶と禅という組み合わせで新たなお茶の楽しみを感じることができた。立ったままでお茶を点てられ、それを受けるというスタイルは初めてだったけれど、2人でお茶が完成するのが新鮮でした。心も身体もリラックスできて豊かな時間でした。ありがとうございました。(女性)
・ただのお茶会ではなく、お話を聞けたり体験できたりで楽しかったです!!(女性)
・四つ頭茶会!?のような、二人で点てるのは初めてで色々なことを感じることができました!!(女性)
【2部:親子×茶】
・初めて参加してとても楽しかったです。親子のお茶会でしたが、子どもの方が私よりも上手にできていました。(男性)
・楽しかったです。先生たちも親しくてきものもとっても美しいです。もっと茶道のことを学びたいです。とっても美味です。初めて茶道のお茶飲みました。実は抹茶はあまりすきじゃなかったです。だからよかったです。(女性)※外国の方
《お子様の感想》
・お茶が美味しかった。わくわくした。
【3部:酒×茶】
・とても楽しく気軽にお茶、お酒が楽しめてよかったです。自分でもお茶始めてみたいと思いました。ありがとうございました。(女性)
・千鳥があるお茶会で、茶事の雰囲気を味わえ、面白く時を過ごせました。(男性)
・とても楽しく機会がありましたら又参加したいと思います。(女性)
・とても楽しく興味深いものでした。お茶の可能性が広がり、自分の中で組み立てていきたいと思う。(女性)